GTA 6の開発は何年続いている? 数え方によって期間が違う理由
GTA 6の開発期間を検証。ネルソンが語る2015年の開始、Take-Twoが示す2020年の節目、RDR 2、設計上の試行錯誤と2度の発売延期を整理します。

開発責任者の一人であるロブ・ネルソンによると、GTA 6の開発は2015年から続いています。初期の準備も含めれば、2026年10月時点で約11年です。一方、発売元のTake-Twoは、開発が「本格的に」始まった年として2020年を挙げています。この2つの日付は、プロジェクトの異なる段階を表します。以下では、ネルソンがTROISCOULEURSに直接語った内容、企業文書、Rockstar Northを訪れて開発者に取材した記者ジェイソン・シュライアーの報告を照らし合わせます。
GTA 6の開発はいつ始まったのか
何を「始まり」とするかで答えは変わります。構想が生まれた時期、少人数がマップに取り組んだ時期、大規模なチームが加わった時期は、資料でも別々に扱われています。
| 起点 | その時点で何があったか | 2026年10月時点の期間 |
|---|---|---|
| 2014年 | Bloombergが2022年の記事で初期の作業に言及 | 最初期から約12年 |
| 2015年 | ネルソン本人が語る開発開始。シュライアーは開発者による初期の現地視察やマップ作業を説明 | 初期準備を含めて約11年 |
| 2018年発売のRed Dead Redemption 2(RDR 2)以降 | ネルソンによればチームの大半が参加。シュライアーは2019年ごろから作業が広がったと説明 | 移行の正確な月は不明で、およそ7~8年 |
| 2020年 | Take-Twoの公式な表現では、作業が「本格的に」始まった年 | この節目から約6年 |
| 2022年2月 | Rockstarが、積極的な開発がすでにかなり進んでいると公表 | 発表日であり、開始日ではない |
2020年を起点とする公式な根拠は、2025年5月15日付のTake-Two CEOストラウス・ゼルニックの準備された発言です。そこでは2020年を明示し、in earnest(本格的に)という表現を使っています。シュライアーが示す2019年ごろの節目も、発売元が示す2020年も、各段階の正確な境界を定めるものではありません。
発売元は、その表現が社内のどの変化を指すのか説明していません。「2020年以前はGTA 6をまったく作っていなかった」と言い換えることはできません。文書はRed Dead Redemption 2の成功後に作業が強まったことを述べていますが、それ以前の世界設計、議論、調査を否定してはいません。
Rockstarが2022年2月4日に出した発表についても同様です。同社は次回作の積極的な開発がすでにかなり進んでいると確認しました。発表日からだけ数えると、発表そのものが認めたそれ以前の作業を除外してしまいます。
GTA Vからの13年が、そのまま制作期間ではない理由
GTA Vは2013年9月17日に発売されました。2026年10月までに13年以上が過ぎているのは確かです。次のナンバリング作品を待つプレイヤーにとっては、自然な数え方でしょう。ただし制作の経緯を知るには不十分です。発売間隔だけでは、新作に何人が、どの段階で携わったか分かりません。
その間、Rockstarは2018年10月26日にRed Dead Redemption 2を発売しました。シュライアーによると、その規模のため大半の社員と幹部が同作に向かいました。一方で、一部のアーティストはGTA 6のマップ作業を続けていました。初期の全期間を会社総出の本格制作とみなすことも、新作への作業がなかった時期とみなすこともできません。
人員や資源の移行は徐々に進みました。Rockstar自身が2022年7月7日に、過去数年にわたり次のGTAへ開発資源を段階的に増やしてきたと説明しています。同社はこれをRed Dead Onlineへの支援変更と結びつけました。従来の大規模なテーマ別アップデートに代え、既存のモードを発展させる方針です。この発表は制作の拡大を裏づけますが、チームの人数や全社員が切り替わった日を示してはいません。
期間の推計が異なるのはこのためです。あるアーティストは10年以上世界づくりに関わっていても、RDR 2の後に参加した専門職の期間はずっと短いかもしれません。これらを足し合わせたり、最も長く関わった個人の期間をチーム全体に当てはめたりするのは誤りです。
RockstarはリアルさとGTAのテンポをどう両立させようとしたか
長い期間には、完成したゲームではプレイヤーが気づかないかもしれない判断も関係しています。シュライアーは2019年ごろから2022年ごろまでを、RDR 2の精細なリアルさと、GTAらしい速いテンポのバランスを探った難しい時期として描いています。
武器システムが一例です。開発者は持ち歩ける装備を制限したかった一方、空欄の多い武器ホイールでは、使えない銃を常に意識させてしまうと心配しました。数か月、場合によっては数年にわたり別の操作画面を試し、最終的にホイールへ戻りました。詳しくは武器ホイールが一時は見送られかけた経緯を扱った記事で説明しています。

これは、一つのメニューだけで発売が数年遅れたという意味ではありません。資料が示すのは試行の長さであり、延期全体への寄与ではありません。ただ、画面上では見慣れた要素の背後にも、多くの検討と採用されなかった案があることを示しています。
シュライアーによれば、進展が見えないと感じて去ったデザイナーもいました。2022年末から2023年初めごろ、チームはゲームについてより一貫した像を持ち始めます。2023年12月の最初のトレーラーは、共通の目標を見いだす助けとなりました。ネルソンもTROISCOULEURSで、将来のゲーム像をまとめるうえでトレーラーが果たした役割を語っています。いずれも大まかな節目で、社内工程の完了日として発表されたものではありません。
方針の変更も、GTA 6の全面的な作り直しを証明しません。「すべて捨てて最初からやり直した」と主張するには別の根拠が必要です。段階が変わったというだけでは、その結論は出せません。
世界を作るには一本一本の道路にも作業が必要だった
Project Americasというコード名を持つ初期構想では、GTA 6の舞台はより広い地域を想定していました。その後、架空のマイアミと周辺地域に焦点が絞られます。初期構想の縮小によって、都市づくりが簡単になったわけではありません。
開発責任者の一人でアートディレクターのアーロン・ガーバットはシュライアーに、GTA 6では最初から道路をより狭くし、交通量を増やす方針だったと話しました。それに伴い建物も密集しました。プレイヤーが一本の道路をどう走るかという判断が、道路の周囲に必要な作業を増やしたのです。

インタビューにはナイトクラブの例もあります。来客の行動、音楽、照明、光とリズムの同期が必要です。こうした関連する細部は所要時間を考える手がかりですが、個々の対象に何か月費やしたかを示す公的な報告はありません。

したがって、マップの面積だけを比べても開発期間はほとんど分かりません。空間に何が詰め込まれ、連動するいくつの要素を動く状態まで仕上げる必要があるかが重要です。
パンデミックとチームの再編
シュライアーによれば、ゲームがまだ形を整えていた時期にパンデミックが作業を妨げました。Rockstarの規模がほぼ倍になったこと、連携の難しさ、より正確な計画を立てようとする試みも報告しています。ただし、会社全体の従業員数はGTA 6を常時作っていた人数ではありません。
RDR 2の後、経営陣は過酷な残業を減らそうとし、計画を改め、追加の休日で超過勤務を補うようにしました。記者は新作でも残業があったという話を聞いており、問題が完全に解決したとは言えません。
運営への評価も分かれました。3人の幹部による判断は十分に足並みがそろっていないと考えた社員もいましたが、ネルソンはその評価に同意しませんでした。制作上の難しさを説明することと、混乱していたと断定することは区別すべきです。
パンデミックにもチーム再編にも、GTA 6を個別に何か月遅らせたかという検証済みの数字はありません。「在宅勤務で1年、管理で2年、マップでさらに1年」のような計算式にすることはできません。
2022年の流出は日程に影響したのか
2022年9月にRockstarがハッキングを受け、次のGTAの初期資料がネット上に流出しました。社員にとってつらい出来事でしたが、日程への影響には別途証拠が必要です。
Take-Twoは9月19日に公式のForm 8-Kを提出しました。作業は計画どおり続き、Rockstarはその時点で開発日程への長期的な影響を見込んでいないと記しています。これは日付のある会社側の見解であり、あらゆる影響を独立に測定した結果ではありません。
その後の延期をハッキングと結びつける根拠はありません。同時に、2022年の声明は、この出来事が制作にまったく影響しなかったことまで証明するものでもありません。未完成の映像から、ゲーム全体の完成率を算出することもできません。
2度の延期で何が変わったか
2023年12月の最初のトレーラーで、Rockstarは発売年を2025年としました。Take-Twoはその後、2025年秋へと時期を絞りました。続いて公式に2度変更されています。
- 2025年5月2日、Rockstarは発売日を2026年5月26日と発表しました。期待される品質水準に達するため、追加の時間が必要だと説明しています。
- 2025年11月6日、同社は発売日を2026年11月19日に変更しました。声明では再び、完成と仕上げに必要な時間を挙げています。
秋に発表されたシュライアーの記事で、幹部らは進み方が異なる複数の作業が延期につながったと説明しました。シュライアーは技術面と意思疎通の難しさを挙げ、別の開発責任者フィル・フッカーは変更が続いていると語りました。これは制作関係者の見解であり、遅延原因を独立に計算した結果ではありません。
発表から分かるのは、公表された日程が変わったことです。設計担当者が当初社内で見込んでいた日付も、残作業の完全な内訳も明らかにはなりません。「ゲームは完成していて、ただ発売を控えていた」という結論は出せません。
2026年10月24日時点で、発表された発売日はまだ先です。「何年かけて開発したか」という過去形の問いで、発売が済んで制作期間が確定したかのような印象を与えてはいけません。正確な最終期間には、明確な起点と確認された終点の両方が必要です。
開発期間はどう伝えるのが正確か
2026年10月時点では、ネルソンが開始時期とする2015年から約11年、あるいはTake-Twoが節目とする2020年から約6年です。異なる段階を数えたものであり、まだ制作期間の最終的な数字ではありません。発売はこれからです。
長い期間には、Rockstarが大規模なゲームを順に作ってきたこと、ゲームデザインの模索、世界の複雑さ、制作体制など、資料で確認できる複数の事情が関わります。一度の延期やマップの一要素だけでは説明できません。秋のインタビューの詳細は、Bloomberg記者によるRockstar訪問の記事でも紹介しています。
出典
- TROISCOULEURS:ロブ・ネルソンへの直接インタビュー、2026年8月27日。2015年の開始、チームの参加、最初のトレーラーの役割。
- Rockstar:2022年7月7日のCommunity Update。次のGTAへ向けた開発資源の段階的な増加。
- Take-Two:2025年度決算に関する準備された発言、2ページ。公式に示された2020年の節目。
- ジェイソン・シュライアー:Why Grand Theft Auto VI Took 8+ Years to Make。制作の経緯とRockstar幹部へのインタビュー。
- ジェイソン・シュライアー:Some New Things I Learned About Grand Theft Auto VI And Rockstar。アーティストの初期作業、道路、武器ホイールの代案。
- Bloomberg:2022年7月のGTA VIに関する記事。初期の節目となる2014年。
- Rockstar:2022年2月4日のCommunity Update。すでに進んでいた開発の確認。
- Take-Two:2022年9月19日のForm 8-K。ハッキングと日程への想定される影響に関する声明。
- Rockstar:GTA Vの発売日とRDR 2発売に関する投稿。先行作品の発売日。
- Take-Two:2025年秋からの延期、Rockstar:2026年5月26日、Rockstar:2026年11月19日。公表された発売時期の変更。
- Rockstar:An Extended Look、2026年8月27日。08:33、15:58、20:28の映像。


